2009年02月19日

人間関係は、パーソナリティ家族の訪問者?

家族

 今回は、誰もが悩む“人間関係”についてお話しします。
 このブログでは、メンタルヘルスにまつわるテーマを、メタファーを活用しながら、いつもと異なる視点で捉えなおします。

 心の健康のためには自己理解がかかせません。そのアプローチは、いうなれば小説を読むような心持ちです。
 ・・・状況や人物を細やかに観察し、展開や特徴に注意を向けて、イマジネーションをふくらませ、最初には関わりの見えなかった物事や人物の関連や相互関係を理解する、そしてその世界全体、そこで起きていることが見通せてくる・・・。

 つまり、まず『自己理解しようとする自分=読者』が『自分の心=小説の世界』を注意深く観察します。
つぎにそこに見え隠れする雰囲気、自分のいつもの立ち居地、定番になっている考え方などをキャッチして、そこから掘り下げて自分の心のクセやパターンを発見する、といったステップです。

 エゴグラムという心理テストでは、私たちの心の中には、老若男女誰にでも“父親的部分・母親的部分・大人の部分・自由な子供の部分・順応する子供の部分”があると捉えています。いわば、私たちの心の中に、まるごとひとつのファミリーが暮らしているようなイメージです。
 キャラクターイメージを膨らませるなら、厳しく正しいお父さん・優しく世話好きのお母さん・サクッと大人な長男・気遣い上手の長女・自由奔放な末っ子、といった5人家族です。この家族が主人公となる小説は、どんな物語になりますか?
 その物語をあれこれ想像してみるのも、いつもと違う発見ができそうです。
 さて、誰かが“私”というファミリーの家に訪ねてきました。ファミリーのみんなはそれぞれどんな応対をしてますか?

お父さんが、玄関で仁王立ちして相手の出方をみてる?
お母さんが、ともかく部屋にあげて、お茶を勧めてる?
長男くんが、訪問の目的を聞いて、用事をすませようと対処してる?
長女さんが、あれこれ気働きして機嫌をとってる?
末っ子くんが、好奇心と気まぐれでちょっかいだしてる?
何人かで応対してるとしたら、どんな組み合わせ?


 “私”の中の5人のファミリーは、もともとは心の“機能”ですから、大きな特徴は人の心の共通項目になります。でも、この5人は、ファミリーごとに出番や役割分担、お互いの関係などは、本当にさまざまで、大きく異なります。注意深く観察していくと、現実の家族のような複雑さが見て取れると思います。
 では、“私”のファミリーは、誰が出てきて応対するのか?どんな風に迎え入れるのか?それは、状況や訪問者に合ったものになっているのか?

たとえば、こんな例はどうでしょうか。

 “私”は昔ながらのメーカーに勤務していて、そこでは社長のポリシーに共感している力強い男性社員がグイグイ仕事をすすめています。そんな中で、細やかな気遣いで、自分の仕事かどうかは気にせずに上司や同僚をサポートする“私”は信頼され、かわいがられてもいます。
 ある時、関連会社に出向することになりました。そこでは皆、日々の業界の情報や経済ニュースにアンテナをはり、それぞれが自分の仕事を任せられています。
 “私”は、上司や同僚と良い人間関係を作ろうと、上司や同僚の仕事をサポートしようとしました。その都度“ありがとう”と言ってくれますが、それ以上の関係になれず、業界情報やニュースの雑談もしません。信頼もされていないのか、皆のように仕事を任せてもらうこともありません。次第に、自分の居場所がなくなってしまったような気さえします。

 こんな風に、“私”のファミリーが普段取る、うまくいっている対応であっても、“訪問者”やその意向、状況によって、ズレた意味となってしまうことがあります。
 このような状況は、カウンセリングの場面でよく耳にします。自分の中の当たり前になっているパターンを観察し、把握すると、新しい状況に適した自分の中の“家族の一員”に応対させることができると、意外なほどすんなりと新しい関係を築けることもあるようです。もちろん、そのお手伝いが、カウンセリングです。

初出:株式会社ピースマインド カウンセラーコラム

posted by MSCOスタッフ at 11:45| パーソナリティ分析

2008年12月20日

自分を活かすパーソナリティ分析 その2

ABCDEFGH.jpg

前回、パーソナリティの全体像についてふれました。今回は、私たちのパーソナリティが持っている個性はどんなものなのか、精神科医で分析心理学者のユングが提唱したパーソナリティ理論・タイプ論から見てみたいと思います。

 まずは、簡単な心理テストです。以下に設問が40個あります。「はい」「どちらともいえない」「いいえ」で答えてみてください。
 「はい」の数がもっとも多いのはどのグループでしたか? 「いいえ」の数が多かったのは?
Aグループ
1.人から「理屈っぽい」と言われることがある。
2.おしゃべりや無駄話はくだらないと思う。
3.物事を論理立てて説明するのが得意だ。
4.ドラマよりドキュメンタリーのほうが好き。
5.仕事や勉強を能率よくこなすほうだ。

Bグループ
1.物事を深く考えていることが多い。
2.気難しいところがあると思う。
3.一度決めるとゆずらない方だ。
4.物事の本質やあるべき姿を考える。
5.芸術や文学が好きだ。

Cグループ
1.よく「面倒見がいい」と言われる。
2.人の気持ちを気遣うのがうまいほうだ。
3.友達の会話は、何を話すのかよりおしゃべりそのものを楽しむ。
4.誰とでも気軽くおしゃべりできるほうだ。
5.パーティや飲み会に行くのが好き。

Dグループ
1.友達は、広く浅くよりも、数少ない人と深くつきあいたい。
2.ワイワイさわぐよりも静かに過ごすほうが自分にはあっている。
3.喜怒哀楽は、あまり人に伝えない方。
4.自分のことよりも周囲の人の役に立ちたいと感じることがある。
5.時おり、強い感情を出して驚かれることがある。

Eグループ
1. 細かいことによく気がつく。
2.センスには自信がある。
3.人が忘れているようなことをよく覚えているほうだ。
4.オシャレなお店をいくつか知っている。
5.グルメな方だと思う。

Fグループ
1.自分だけのこだわりがあったりする。
2.好みが合う人が意外と少ない。
3.熱中するとつきつめる方だ。
4.イメージが豊かだ。
5.自分のペースを乱されなければ、わりと満足していられる。

Gグループ
1.見通しや予測が的中することが多いと思う。
2.いろいろなアイデアが自然に沸いてくる。
3.物事の細かいところまで気を配ることが不得意。
4.「カリスマ的」「リーダー向き」といわれたことがある。
5.カンがするどい。

Hグループ
1.実社会では評価されないことでも、価値があると信じていることがある。
2.「天才肌」と人にいわれる。
3.宗教や哲学に興味がある。
4.人付き合いが苦手な方。
5.自分は変わっていると思うが、あまり気にしていない。

「はい」が最も多かった設問グループは、あなたの心の中で活発に働いている“心の機能”を表しています。それぞれのグループが表している“心の機能”は以下です。あなたが得意な“心の機能”はなんでしたか?また、「いいえ」の数が多かったグループは、不得意な心の機能を見つけるヒントになるかもしれません
 注意していただきたいのは、ここでの“心の機能”は「自分は〜のタイプ」というような、性格をグループ分けして当てはめる考え方とはちょっと違います。どの“心の機能”が活発に働いていて、どの機能が未開発か、という捕らえ方です。

それでは、それぞれの「心の機能」についてご説明します。

Aグループ・・・『外向的思考』
『思考機能』は、物事を筋道立てて考える能力。この能力がAグループの『外向的』では、客観的事実に基づいて、理路整然と考えていくことで発揮される。事実の即して考えることが得意なので、情報をフルいかしてビジネスや生活に取り入れていく。
Bグループ・・・『内向的思考』
Aグループと同様の思考機能が、考える対象を自分自身に向け、自分の考えを筋道立て、理想や発想を追求するので、現実よりも自分の内面を深く探求する。
Cグループ・・・『外向的感情の機能』
『感情機能』は、物事に自分なりの価値を感じる機能で、好き・嫌い、快・不快といった判断がされることになる。自分の感情をコントロールしてうまく相手とあわせることや、自分の感情に忠実に世の中を眺めることが得意となる。
Dグループ・・・『内向的感情の機能』
Cグループと同様の感情機能が、自分の中にある基準で動く。そのため、周囲の出来事や相手に左右されることも少ない。物静かで落ち着いた印象をかもし出す。
Eグループ・・・『外向的感覚の機能』
『感覚機能』は、外界からの刺激を価値判断を加えずに視角聴覚味覚などから把握する機能。外界の事実を身体的な感覚を通して敏感に感じとることが得意となる。
Fグループ・・・『内向的感覚の機能』
Eグループと同様の敏感な感覚が、内面にむく。内面にあるイメージに沿って外界をとらえるため、淡々とした現実にも自分なりの印象を豊かに感じることになる。
Gグループ・・・『外向的直観の機能』
『直感機能』は、日常私たちが第六感と呼ぶものでもある。外向的に向く場合、物事の本質や可能性を見通す力として発揮され、未来へのアイデアを生み出す。
Hグループ・・・『内向的直観の機能』
Gグループと同様の直感機能が内面に向くので、無意識の世界や神秘的な事柄に可能性を見出し、第三者にはわからない世界を豊かに感じることとなる。


あなたの「心の機能」はどんな風に発揮されていましたか?
自分の個性を引き出して、生かしていくことのヒントにしていただければ、と思います。

参考文献:大住誠著『フォー・ビギナーズ・シリーズ 65 ユング(日本オリジナル版)』現代書館 1993年
初出:株式会社ピースマインド カウンセラーコラム

posted by MSCOスタッフ at 00:00| パーソナリティ分析

2008年11月24日

自分を活かすパーソナリティ分析 その1

運転

 突然ですが、カウンセリングをする時、カウンセラーは何を考えているでしょうか?もちろん、クライアント(カウンセリングを受ける方)の悩みやストレスを解決していくことなのですが、やみくもに解決策を思案しているわけではありません。

 まず、カウンセラーはクライアントのパーソナリティを理解しようとします。自分のパーソナリティというのは、誰もがわかっているようで実はわかっていないところが多いものです。自分のパーソナリティを理解することは、自由に活用することができるけれどまだわからない素材や資源を知ること、ともいえます。
 人が抱える悩みやストレスというのは、どこか共通点や似たところがありながら、個々に異なります。それは環境の違いだけでなく、そのクライアントのパーソナリティにかかわってきます。カウンセラーはクライアント独自のパーソナリティをふまえて“オーダーメイド”のカウンセリングを作っていくことで初めて、カウンセリングとして成り立ちます。

では、パーソナリティとはなんでしょうか?
 一般に“性格”と言われるものですが、たとえば、考え方のパターンや感受性は?どんな立ち位置で人間関係を作るのか?どんな人に親しみを感じるのか?自分の価値をどんな風に感じているか?などなど、さまざまな心の働きが含まれて、その人のパーソナリティは成り立っています。

 パーソナリティを理解するために、「目的地に向かって車を運転していく」ことに置き換えて考えてみましょう。
 走っている車が自分の“パーソナリティ”で、ドライバーは“現在の意識”です。ガソリンになるのが“心身の健康”“モチベーション”ですし、目的地は“幸福な生活”“なりたい自分”でしょうか。まわりには“社会の常識”“役割”“責任”という交通ルールがありますし、“人間関係”という他の車との関わりもあります。

no-title
 自分のパーソナリティを理解するために、まずは点検作業からはじめてみませんか?“車”“機能や特性”はどうでしょうか。“乗り心地”はどうですか。“ドライバー”“走行”はスムーズに連動していますか?“道路状況”“周囲の車”の流れに無理なくのりつつ、でも自分が目指す目的地に向かって迷ったりせずに走行しているでしょうか?ほどよい休息やリフレッシュはとれていますか?

 このような“例え”を活用してイメージで考えていく“メタファー(隠喩)”は、意外と役に立ちます。“メタファー”を使って考えることで、突き放した冷たい客観視にかたよらず、かといって視野がせまくなりかねない主観オンリーでもなく、余裕をもった視野で近づいたり離れたり、自由に考えをめぐらせることができます。そういう考え方をしていると、自然と新しい視点や発想が生まれたりします。

初出:株式会社ピースマインド カウンセラーコラム

posted by MSCOスタッフ at 23:33| パーソナリティ分析