2014年02月15日

ほめるって難しい

ほめる

 私は小学校のスクールカウンセラーもしています。子どもたちだけでなく、保護者の方の相談もお受けしています。
 保護者の方からは、「子どものこと、もっとほめないといけないんでしょうね・・・」と聞くことがよくあります。「ほめる」ということについて、ご自分でも日々気をつけていらっしゃったり、本などで読んだり、アドバイスされたことがあったりするのでしょう。しかし「ほめないといけないんですよね」とおっしゃるその言葉の裏には、「がんばってほめようとしてるけどうまくいかない」という切ない思いが感じられます。

 “言うは易し、行うは難し”それが『ほめる』です。『効果的なほめ方』をテーマに、保護者向けの研修会を開催することもあります。
「うちの子、ほめるようなことは何もしないんです」。そうおっしゃる方は少なくありません。そこで、「今できていて、これからも続けてほしいこと」「さらに増やしてほしい行動」といった『好ましい行動』がほめる対象になることをお伝えします。
 「ありがとうが言える」「連絡帳を見せる」「一度声かけしたら宿題にとりかかる」・・・ほんの些細なこと、当たり前のことでいいのです。

 当たり前のことでもほめる・・・そう聞くと、たいていの方が「そんなことでほめていいの?」と少し戸惑ったような表情になります。当たり前のことに「すごいね」と言うのにためらいがあるようです。
ここでもう一つ発想の転換をしてもらいます。『ほめる』というのを『保護者の方が子どもの好ましい行動に注目し、「いいな」思った気持ちを子どもに伝えること』ととらえてもらうのです。
 「すごいね」「えらいね」と言うのはもちろん、他にも「がんばれ」と励ます、「やってくれてありがとう」と感謝する、「今どんなことやってるのかな」と興味や関心を示す、といったことも含まれます。また「ごみを拾ってくれたんだ」と行動に気づいていることを伝えるだけでも十分です。「ニコっとする」「OKサインを出す」言葉以外の働きかけも効果抜群です。


 「何をほめるか」「どうやってほめるか」については、『ペアレント・トレーニング』の中の『好ましい行動』と『肯定的な注目』をベースにしてお話しています。
『ペアレント・トレーニング』は、アメリカで開始され、日本でも適用しやすいように作成されたプログラムです。10回のセッションをグループで実施するのが基本的なプログラムです。
 『ペアレント・トレーニング』では、子どもの『行動』に注目します。子どもは、自分が実際に行動したことについて注目されるので、ほめられていることについて実感が持てますし、そのことが『自信』につながります。

 理論的には『行動療法理論』に基づいていますが、子どもの行動修正に焦点づけしているというよりは、親子がよりよいコミュニケーションを持てるようになることに主眼を置いています。
 子どもはほめられてうれしくなり、ほめられたことを繰り返す→親はそれをほめる→ほめることが保護者もうれしくなり、子どもの好ましい行動にもっともっと注目するようになる・・・このように、よい循環が生まれていきます。

 『ほめる』ことから、親子がそれぞれ自信を取り戻し、穏やかで楽しい生活をおくれるようになるとよいですね。
posted by MSCOスタッフ at 23:11| オフィス外での活動