2013年02月12日

「気にするな」と相手を励ましたくなったら

river.jpg

  人から相談を受けたとき、あるいは相談を持ちかけたとき、「気にしすぎだよ」とか「そんなこと気にしなくても良いと思うよ」というアドバイスがよく使われますね。誰でも一度や二度は使ったことがあるのではないかと思います。

 自分が信頼している人からそう言われることで、気にしなくても良いのだという「お墨付き」をもらえたような気持ちになり、スーッと気が楽になることも確かにありますし、その言葉を使う側としては、それが話を切り上げるための口実であったり、あまりにも些細なことをくよくよ悩んでいる人を目の前にすると、そうとしか言葉のかけようのない場合もあるでしょう。漠然とした、非常に使い勝手の良い言葉ですが、そういう性質の言葉だけに使い方によっては人を傷つけてしまうことも間々あるように思います。

 私たちカウンセラーが日常的に関わる深い悩みや問題を抱えている人々にとって、気にしないでいられる状態というのは悩みがなくなった状態と同義です。誰でも、悩みを抱えているときには、あまり悩まずに生活していたときには気にならなかった日々の些末な事柄が、とても気になるようになるものです。つまり、悩みを抱えることは、気にしないでいる方法がわからなくなってしまうことなのです。ですから、彼らは「気にしないで」と言われると、自分の気にし過ぎを批判されているようで、かえってつらくなってしまうのです。

 ちょっとしたトラブルが気になってしまうとき、それはどういう状態なのでしょうか。川の流れにたとえるとわかりやすいかもしれません。  
 気にせず過ごせている状態は川の中をするすると流れている状態。悩みや問題を抱えている状態は、川の真ん中にある大きな石に乗り上げてしまった状態かもしれません。まずは石から降りる方法を考えなくては、元のようにするすると流れていくことができません。

 そんなふうに考えると、多くの人が日々を流れるように暮らしていることが不思議です。それは、多くの人はどうやったら石に乗り上げずに川の中を流れていけるか、あるいは、石に乗り上げたとしてもどうしたらケガをせずにうまく降りられるか、自分の身を守るコツを知っているからではないかと思います。ただ、ときにはそのコツが使えない場合が出てくるので悩みを抱えることになるのです。心理学では、そのように自分の身を守る術を「防衛」と呼びます。

 さて、では「気にするな」と言ってはいけないのか。そんなことは人の気持ちを理解してあげられたら、「気にするな」というアドバイスは、相手にとって大きな支えになるはずです。ないでしょう。些細なことを気にしないではいられないその人の気持ちを理解してあげられたら、「気にするな」というアドバイスは、相手にとって大きな支えになるはずです。
タグ:気にするな
posted by MSCOスタッフ at 15:29| セルフメンタルケアのコツ