2012年05月03日

「五月病」の予防

藤

 この時期になると、どこでも必ず「五月病」の話題になりますので、こちらでもちょっとふれておきたいと思います。

 新年度、学校や職場では大なり小なり環境の変化が起こってきますが、我々はそれに対応するためにこの『慣れるまでは大変だなあ』という緊張状態が持続することになります。ところが緊張状態というのはあくまで「緊急事態に対応する姿勢」ですから、どんな人でもそう長続するものではなく、だいたい3〜4週間が限度といわれています。
 つまり、緊張持続の限界が来たころにちょうどゴールデンウィークでゆるめる事ができるというわけですが、この際に自覚していた以上の疲れがどっとでてきやすく、場合によっては連休明けに回復が間に合わない場合がでてくる、ということがしばしば起こります。この状態回復の困難さがいわゆる「五月病」といってよいと思いますが、これはその人に取っての負担度合い(ストレッサー)と、その人の回復力、周囲のサポート資源の有無などによってかなり変わってきます。

 こうしたことを考えると、1つにはすぐできるセルフケアがやはり大事ということになります。こうしたことはカウンセリングでもよく話題になるので、私もクライエントさんに教えてもらったり自分でもいいかなあと思えるものは試してみるのですが、やはり王道としては「場所変化」「五感」「季節のもの」という3つの組み合わせを味わうことになりそうです。

 つらかったりすると『自分はダメだ』などネガティブな視点に反復固定されてしまいがちですから、「見える世界」を変えることはやはり有効です。むろん、身体疲労感とのバランスは大事なのですが、家でずっと同じにいるよりは、近所でもふだんとちがう所に行ける方がやはり気持ちは切り替えやすくなるようです。

 また、その中で視覚(心地よい風景など)、聴覚(鳥の声や音楽など)、嗅覚(花の香りなど)、触覚(陽のあたたかさや小川のひんやり感など)、味覚(季節の食材が最高です)という五感は直接身体に作用して、気分転換のよいきっかけになります。

 「季節のもの」というのはこれら「場所変化」+「五感」を考えたときに1つのきっかけになりやすく、時間の流れを感じるものなのか、個人的には4月に感じがちな焦りをすっとほぐしてもらえるような感覚があります。

 これらを味わうのは典型的には旅行ということになるのでしょうが、負担も考慮するとちょっと近所でこれらを気軽に味わうというのが、一番のおすすめです。秋冬にはかえってこの「季節感」がつらいという人もいるのですが、今の新緑の時期であれば問題もないと思いますので、改めて意識して試してみていただければと思います。

 また、こうした工夫だけではどうにも生きづまり感が続いてしまうという方の場合は、「こころの整理をしていく」ということが必要な可能性もあります。家族や友人などと話してもどうも改善しない、あるいはそうしたことがしにくいという状況で連休明けもつらい状況が続くということであれば、早めにカウンセリングや医療機関を活用していただけるとよいかもしれません。
posted by MSCOスタッフ at 00:12| セルフメンタルケアのコツ