2018年08月01日

プロセスワーク(Process Work)

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“なってみる”ことで発見できること
 イメージを大切にするカウンセリングの技法に「プロセスワーク」があります。ユング派の分析家アーノルド・ミンデルが創始し、個人のセラピーだけでなくカップルや家族のセラピー、組織開発などにも展開されています。

 プロセスワークでは、まずワークする個人のプロセス構造に注目します。
プロセス構造は、3つの部分で構成されています。
『1次プロセス』 自分のアイデンティティ。よく知っているなじみのある自分。
『2次プロセス』 なりたいけどなれていない自分像、逆に自分がしてはならないと思っていることや人。未知の自分。
『エッジ』 2次プロセスを阻んでいる価値観や考え、信念、…。

 これらを書き出してみるだけでも自己理解が多面的になるのを感じますが、『2次プロセス』に出てきた言葉を「〇〇のよう」「〇〇な感じ」などふくらませていくうちに出てくるイメージを増幅し、身体を使って“なってみる”ことをします。

 例を出して詳しく見ていきます。Aさんは30代の社会人女性。少し人付き合いに悩みがあります。
 彼女の『1次プロセス』は「社交的で明るい人、行動的」で、Aさんにとって嫌だと思うのは「受け身で内向的な人」です。これは、Aさんの中に潜在する『2次プロセス』と理解できます。そして「暗いと面倒くさいと思われる」という考えがあります。この考えが2次プロセスの自分を阻む『エッジ』になっているようです。

 Aさんは、2次プロセスの自分に“なってみる”と、「感受性の豊かな、モノゴトを深く考える自分」が表出してきました。さらに、その自分を細やかにゆっくり感じていくと、多くの感受性豊かな子どもが体験する、想像の世界を味わい表現する楽しさを思い出します。

 それを忘れさせていた『エッジ』に注目すると、想像性豊かな遊びの世界を「面倒くさい」と相手にしてもらえなかった子ども時代の悲しみから形作られたことに気づくことになりました。そして、『1次プロセス』の自分を特徴づけた「行動的」であることで得ようとしていたのは、人からの注目であったことが鮮明になりました。

 こんな風にして、Aさんは、忘れていた自分と再会しました。さらに、ネガティブに捉えていた「内向的な人」への感じ方が変化し、それまで「内向的な人」と思って苦手意識を持っていた人との関係が改善して、自然と親しみを感じられるようになっていきました。

 このように、プロセスワークを体験をすることで、気づき・発見することは多く、自分の中に未発見の豊かな鉱脈があることを実感できるようなプログラムです。
posted by MSCOスタッフ at 14:04| カウンセリング・キーワード