2018年01月04日

アクティブイマジネーション(Active imagination)

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  カウンセリングの技法は多くありますが、その中で、夢分析などのようにイメージを活用する技法もまた様々なタイプがあります。その多くは、無意識の世界から生じてくるイメージを受けとめて、そのイメージの内容を理解し体験しようとします。イメージを受けとめようと待つことになるので、受け身的な構えが多いといえるかもしれません。

 それらの構えに比べ、『アクティブイマジネーション』は『アクティブ』=能動的であることが大きな特徴です。無意識から生じてくるイメージを尊重することに変わりはないのですが、そのイメージとの関わり方が異なります。イメージは自然と浮かんでくるわけですが、何を『アクティブ』にするのかというと、はっきりと意識を働かせて、イメージとやりとりして『折衝』するのが大切と言われます。

   具体的には、まずイメージの出発点を決めます。例えば夢にでてきた‘何か’からでも良いですし、心惹かれる写真や絵画なども良いようです。そして、イメージの中でやりとりする相手(人に限らず、動物やモノや風景全体でも)を決めて、相手の様々な特徴を細かく観察します。次第に、イメージは自律性を発揮して動きはじめます。
@イメージと出会ったら、出会いの意味を考える。
Aその上で、こちらに何ができるか、何をしたいのかを考える。
Bなんとなくでなく、「こういう理由でこれを選ぶ」と意識しながら選ぶこと。
Cそれをイメージの中で行動に移す。
Dイメージは、それに応えて何がしかの反応を返してくる。
記録をとりながら、この@からDを繰り返していきます。イメージが無意識からのモノでなく、勝手な想像のように思えても大丈夫です。意識が作っているようでも無意識からの要素が入らないイメージなどないのです。

    以下に、樹木と牛と牛飼いが描かれた絵画から『アクティブイマジネーション』を試みた例を紹介します。
 「私は畑での農作業をしている。そこへ牛に乗った旅人が通りかかる。旅人がこちらへ笑顔を向けて『ご精がでますね』と話しかけてくる。私は農作業の手を止めて『こんにちは』と応じる。旅人はその日泊まる宿へ向かう道を尋ね、私はそれに答える。私は、生き生きした牛にl惹かれて撫でると、あたたかい生命感が伝わり心地よくなる。すると、旅人が牛をくれると言う。『是非世話してやってほしい』と言われ、それなら、と応じる。旅人は宿に向かう。私は牛とともに見送りながら、うれしい反面、ちゃんと世話をしていけるか少し不安も感じている。」

   この『アクティブイマジネーション』の意味を解釈するには、牛の象徴性や、旅人が宿を尋ねてくる物語の意味するモノなどを深めることも大切になるでしょうが、まず最初に「私」が無意識とどのように関わっていこうとしていいるかを理解することが大切なポイントです。
   「私」は、旅人とアクティブに好意的に関わり、少し不安に感じながらも旅人からもたらされた新たな生命とともに生きていくことを決めています。これは、「私」という自我がこれまで知らなかった自分の中のエネルギーやメッセージを受け入れて、個性化の道(自分らしくあるための心の成熟)に向かおうとしていると言えるようです。

    この例のようにイメージにアクティブに関わり、折衝することで、その世界が広く豊かに展開していきます。そこから、自我にとって有益な気付きや変化が生まれることになっていくと言われています。
(参考文献:「無意識と出会う」老松克博.2004.トランスビュー)
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posted by MSCOスタッフ at 11:05| カウンセリング・キーワード