2017年10月08日

「発達の2つの目標」と「適応するための力を支える感覚統合」

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 子どもたちとドラマと造形のワークショップを行っている「所沢クリドラタウン」で、保護者の皆さんと「子どもたちの育ち」についてお話しするのも今年で4回目になりました。前回の「感覚統合」についてのお話も踏まえての内容です。

@発達の2つの目標「自己形成」と「社会化」
 発達には2つの目標があるといわれています。1つは「自己形成」。自分を形作るということです。2つ目は「社会化」。形作った自分を、社会の中で適応させるということです。

 自分を強く出しすぎると「ワガママ」「ジコチュウ」などと言われ、周囲に受け入れられなくなってしまいます。しかし、周りに合わせすぎて何もかも相手に従っていては、自分がなくなってしまいます。自分の本当の気持ちや欲求がわからなくなり、自信が持てず、周りとうまくかかわれなくなってしまうのです。ですから、自己形成と社会化の発達はセットで、バランスよく育っていく必要があります。

 自己形成と社会化が獲得されていくのは、子ども集団の中です。特に「遊び」は大きな役割を果たしています。遊びにはまず「身体機能」を高める働きがあります。遊具遊びやアスレチックのように、つかむ、ぶら下がる、またぐ、くぐるといった動き。おにごっこやかくれんぼ、ドロケイのように、走る、跳ぶ、くぐる、よけるといった動き。多様な動きをともなった活動により、神経や筋肉の機能が発達し、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールするなどの調整能力が育まれます。思いきりのびのびと体を動かすことを通して得られる成功体験や有能感は、自己形成に大きな影響を与えます。

 また、遊びにはルールのあるものが多く、社会性を身に着ける機会を与えてくれます。ルールを守ることでセルフコントロールの仕方を学びます。ルールを友だちと共有するためのコミュニケーションスキルも伸びていくのです。

A適応の力を支える「感覚の統合」
 こうした発達の適応に必要な力の育ちには、「感覚の統合」が重要なポイントになっています。
 学習能力や運動能力など、目に見えるスキルについ着目してしまうのですが、実は、そうした能力の発達は「筋力の発達」や「眼球運動のコントロール」がもとになっています。さらには、「視覚認知」「平衡感覚」「固有覚」「触覚」「聴覚」といった感覚の統合が支えています。

 感覚は目に見えないので、統合の度合いはわかりにくいのです。詳細で正確な判断は、もちろんしかるべき専門機関で専門家の意見を仰がなければなりません。しかし、だからといって日常の中で私たちが何もできないということでもありません。
 発達の2つの目標のところでも述べた「遊び」には、感覚を刺激する要素がたくさんつまっています。触覚を刺激する遊びには、フィンガーペインティングや粘土遊びなどがあります。トランポリンは平衡感覚を使います。
 また、生活の中のちょっとした「お手伝い」は、感覚統合にとってもとても大切な営みです。雑巾がけ、お皿運び、洗濯物たたみなど、手と目の協応を養います。


 今の時代、当たり前に育っていたはずのものが、育ちにくくなってきています。スキルや知識重視になり、学習やトレーニングに躍起になってしまいやすいのですが、遊びやお手伝いなどにも目を向けてみるがよいともいます。仲間とかかわったり、体を使うことなどの「日常の当たり前の営み」が、子どもたちの育ちを支えているのです
タグ:遊び
posted by MSCOスタッフ at 14:48| オフィス外での活動