2015年09月04日

自分用ストレスチェックリストとストレスコーピング

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 前回は、自分用ストレスチェックリストの作り方についてご説明をしました。今回は、引き続きAさんを例にとりそれをどう活用するかについてお伝えしたいと思います。

 【Aさん(35歳/男性/会社員)】のストレスチェックリスト。
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 このリストを日々ながめながら生活していると、Aさんは、同じストレス因があってもそれを強く感じる日と弱い日があることに気がつきました。よく考えてみると、曇天の日に苛立つことが多く、晴天の日には苛立つことが少なかったのです。そして、「胃痛」の起こる日の前はたいてい曇天の日が続いていること。つまり、梅雨の時期が最も「胃痛」のストレス反応が多いというパターンもわかりました。また、疲労感は、周囲の人やものごとが自身の思い通りにならないことへの苛立ちや不全感とつながっていることもわかってきました。
 なので「曇天が続く時」 「苛立ちや不全感」を感じる時には多めに休息を取るように気をつけてみることにしました。これがストレス対処法(ストレスコーピング)です。

 次にAさんは積極的にストレスを発散する方法も探して、ストレスコーピングリストも作ってみました。
 Aさんの趣味はエレベーターに乗ることです。特にM社のエレベーターは、動きがスムーズでドアの開閉が静かなのと、I社のエレベーターボタンを使用していることが多いためお気に入りです(I社のエレベーターボタンは文字が見やすく美しい)。そこで、Aさんは昼休みになると秩序の乱れた自身の職場を離れ、昼食を取りがてらM社のエレベーターが設置されている近くのオフィスビルに出かけて行きます。文字の美しいI社のエレベーターボタンを押し、M社のエレベーターのスムーズな動きに身をまかせていると苛立ちも少しずつ薄らいでいきます。また、自宅でI社のエレベーターボタンをながめながらK食品のポテトチップ(のりしお味)を食べている時間がAさんにとっては至福のときです。

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 ストレスコーピングは、できるだけ数が多い方が良いものです。たくさんあれば、ひとつ試してだめなら次、それがだめならまたその次を試すということもできます。もっと数を増やせないだろうか、と考えていたAさんは、ふと自分のリストは気分を発散するためのものしかないことに気づきました。
 ストレスコーピングにはAさんが実践しているような「気分発散型」のコーピングだけではなく、ストレス因を改善する方法を実践してみる「問題解決型」のコーピングもあります。そのふたつをバランスよく取り入れることがストレスマネジメントのポイントです。

 頑固で融通がきかず、自分の正しさにこだわるAさんですが、実はもともと内向的な性格で、自分の意見や気持ちを相手に伝えることが非常に苦手です。ですから、内心苛々することがあってもそれを相手に伝えることはめったにありません。「B氏はだらしがないが、柔軟性があるのでちょっと意見をしてみよう」と問題解決型コーピングの実践を思い立ったAさん。勇気を出して「もうすこし机上を整理した方が良いですよ。書類を探す手間が省けますから」と内心の苛立ちをできるだけ出さないようにしながらB氏に言ってみたところ、意外にもB氏は「それもそうだ」とAさんの意見を取り入れ、その日だけは普段よりも机上をきれいにしたのです。「そうか。言っても大丈夫なのか」と思ったAさんは、ストレスコーピングのリストの中に「机上を整理するように、さらりと相手に言ってみる」という項目を付け加えました。また、部長席下の謎の染み汚れについては、「見ない」というシンプルな問題解決型コーピングがうまくいくこともわかりました。

 さらに、Aさんは、B氏がAさんの意見を取り入れてくれたことに自身が大きな安心感を得たことについて「そうか。俺は内心B氏が怒ったらどうしようと思っていたのだな。相当気が小さいな」と思い、ストレス反応リストの中の「自分が間違っているのかもしれない」という不安は、自分が間違いを犯して怒られることへの不安感だったことにも気づくことができました。不安に気づくことでその不安感は軽減しました。

 いかがだったでしょうか。自分用ストレスチェックリストは意外と活用できそうだと思いませんか。

前回 自分用ストレスチェックリストを作ってみよう
posted by MSCOスタッフ at 18:00| セルフメンタルケアのコツ