2015年07月03日

架空ケース:「新しい職場でうまくふるまえない」

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<架空のケースを元に、実際に起こりがちな悩みとカウンセリングのアプローチを紹介しています>
 (2016.8.31 「『ペルソナ』を掛け替えることで自信をとりもどす」より改題)
 転職してから、何かとしり込みするようになったことに悩んでいるBさん(20代 会社員 女性)。

 自信が持てずに新しい仕事も自分にはできない気がしてしまいます。転職すると、誰もが新しい環境に踏み出したことでの期待と不安を大きく感じるものです。Bさんはそういった期待と不安だけではなく、それまでの自分のままではやっていけないように感じたと言います。Bさんにとって、それまで自分の外側に向けていた顔=『ペルソナ』をはずして、新しい自分・環境にフィットする新しい『ペルソナ』を作ることが必要になってきたと言えるかもしれません。しかし、新しい『ペルソナ』への掛け替えは、どんな態度やキャラクターを演じるかといった表層的なことではありません。

『ペルソナ』の役割
『ペルソナ』というのは、仮面を意味する言葉ですが、素顔を隠すという意味だけで片づけられない役割があります。ひとが外界へ向ける顔、自分の身の回りの環境になじんで活動していくために身に付ける“衣服”のようなものと言えます。実際、私たちは自然と状況・役割・人間関係などに合わせて一定の発言・行動をしています。

 『ペルソナ』はそんな風に生活をスムーズに送ることを助けてくれます。それだけでなく、その『ペルソナ』を身につけることで発揮される、いわば“もうひとりの自分”が活躍できる機会を作ってくれもするのです。そこで大切になることは、『ペルソナ』が、身につける“中身”の自分自身に合った、生きたものかどうかです。そうでなければ、自分を硬く拘束する殻になりかねません。

『ペルソナ』を掛け替える
 カウンセリングでは、まず“中身”の自分自身の点検作業をしました。自分史を振り返って、自分の棚卸しです。“棚上げにしてきた自分”“取りこぼしてきた自分”をひとつひとつ手にとって見返していきます。

 Bさんは、新入社員の頃から仕事を教えてくれる先輩に頼りがちだった自分を語ります。「末っ子だから」と、いろいろな状況で誰かに頼りながら切り抜けてきた自己イメージです。Bさんの『ペルソナ』は“末っ子キャラ”のようでした。

 詳しく自分を振り返っていくうち、高校では部活動で大きな大会を目指してリーダーシップをとっていたことを思い出しました。「子どもだった、怖いもの知らずだった」と振り返りながらも、集団の中で役割を引き受けて行動する自分を忘れていたとも言います。

 見えてきたものは、もともと“末っ子キャラ”だという意識。そして、先輩社員との関係でその『ペルソナ』がフィットしたことで、『ペルソナ』を自分だと捉え、自分を限定してイメージしてしまっていたのでした。

 Bさんは自分の中に、“取りこぼしてきた自分”が見つけられ、難しいと思えていたコトにも向き合える自分がいたことを発見したのでした。その発見は、今の自分には“まだ見えていない自分”がいるという可能性を感じることでもありました。そうしてBさんの転職の期待と不安は、「不安<期待」となって、新しいステップに踏み出していきました。
タグ:ペルソナ
posted by MSCOスタッフ at 00:17| 架空ケース